海上コンテナとは

海上コンテナ(Marine Container) の略称は海コン。業界の俗称はハコ( 箱)。海を挟んで荷送人から荷受人への輸送費を安くする手段として登場した。
港において大きな箱の海コンを積み替える作業で、個々の荷物の荷積み荷降ろし作業を無くした。効率の悪い人海作業を無くし高速な機械作業に置き換えた。荷物の破損、窃盗、紛失、など諸々の問題を解消した。
(沖合に停泊する船舶から、はしけを使って貨物を陸揚げしたり、その逆に積み込んだりする作業を行う労働者の古い呼び方「沖仲仕」の仕事がほぼ消失した。)
発明したのは

海上コンテナを発明したのは米国人のマルコム・マクレーン。20世紀最大の発明と言われる。海を挟んだ大陸間輸送において、人海戦術を前提とした従来の貨物船を駆逐して、コンテナ船が主役の座を確立した。

海上コンテナについて、より詳しく知りたい方は、「輸送コストの大幅低下がグローバリゼーションへの道を拓く必須条件だった」と書く著者マルク・レビンソン氏の「コンテナ物語」の購読を推奨します。
変遷と現状

当時の道路事情で35フィートの長さで登場した。各社がそれぞれの長さで参入したが後にISO 世界標準化機構で20と40フィートに規格統一された。その後、高さで8.6 に加えて9.6 フィートを追規格。長さで45、48、53フィートを追規格。
海コンは、アジアと米国西海岸、アジアと欧州、など海上輸送をコンテナ船で運び、海コンをシャーシに載せてトラクタで牽引して港と荷主の間を陸上輸送する。海運会社と荷主の輸送料金は、段ボール箱単位の輸送と同様に、海コン単位で、海コン内の荷物の多寡は問わない。
海コンが輸送単位であるから、陸運会社は、段ボール内の荷詰め荷解きに携わらない同様に、海コン内の荷積み荷降ろし作業にタッチしない。海運会社所有の海コンを、陸運会社所有のシャーシに載せ荷送人に行き、荷主側が荷詰めし扉に封印した後に、陸運会社が港に運ぶ。到着港から陸運会社が荷受人に運び、荷受人が封印を解いて荷物を取り出す。
海コンの特徴
- 運搬荷物は直方体の頑丈な1つの大きな箱
箱の中の荷物の荷積み荷降し作業、荷物内訳や損傷の確認は荷主間の事項、陸運会社側はノータッチ。ミニチョコをバラで100万個、50個入り2万袋、40袋入り500箱、500箱入り海コン1箱。大きい事は良い事。特別許可申請不要で陸上輸送ほぼ最大サイズ、の海コンが輸送に最適は自明。 - 個々の荷物の途中の積替えなし
陸海陸輸送において、陸運会社のコンテナターミナルでの、ターミナルとコンテナ船での、積み降ろしで海コン内の荷物の積替えなし。港の岸壁の大型クレーンで海コンを船に積み降ろして、積み降ろし作業の機械化と高速化、作業員の大幅削減、危険作業の回避。 - 海コンは世界共通規格
海コンは箱の大きさだけでなく、上下4隅の隅金具も世界共通規格。海コンを吊り下げて世界中のコンテナ船に積み降ろしできる。ガントリークレーン等の海コン作業機械が世界の港で使える。共通規格の海コンだから、自動化した工場で低コストに大量生産できる。 - 隅金具が海コンのキモ
海コンは単なる大きな箱ではなく、上下4隅の計8個の隅金具に、鋼鉄の柱と梁を溶接した骨構造の箱。8~10段に積み重ねて露天および荒海の船上に蔵置できる。隅金具と柱と梁の骨構造で、上に重ねた多段の海コンを支え、下の海コンの上に乗る。海コンを吊り下げる。海コンを牽引車両シャーシに固定する。もし鋳物で作った肉厚の隅金具が無ければ海コンの多段積み、吊り下げ、車両上の固定も困難になる。海コン輸送が崩壊する。 - 隅金具とツイストロックはベストパートナー
海コン側の隅金具と、締結側のツイストロック、のコンビで海コンを簡易に確実に素早く固縛解放できる。


海コンの仕様
- 名称:日本語:インターモーダルコンテナ、通称:海上コンテナ、略称:海コン、俗称:ハコ(箱)
英語:intermodal container, 通称:Marine Container, 略称:「CN」や「CT」 - 規格:ISO(国際標準機構)、JIS(日本産業規格)
- 種類:ドライ、リーファー、タンク、など多品種
(但し、ドライが大部分、次点がリーファーで少数、他種は僅か) - 長さ:20フィート(約6.06m)と40フィート(約12.19m)の2種類
(45、48、53フィートがISO規格に追加され、少数が流通) - 高さ:8.6フィート(約2.59m)と9.6フィート(約2.90m)の2種類
(長20x高8.6、長40x高8.6、長40x高9.6の3種)
(長20x高8.6は殆ど無い)
(リーファは長20x高8.6、長40x高9.6の2種) - 横幅:8.0フィート(約2.44m)の1種
- 内容量:20’ Dry;33.1m3,40’ Dry;67.6m3,40’ High Cube;76.2m
20’ Reefer;28.2m3,40’ High Cube Reefer;67.5m3 - 最大総重量:(自重も含めたコンテナ全体の制限重量)
20フィートは17,950 – 24,000 kg(近年制作30,480 kg)
40フィートは26,770 – 30,480 kg - 材質:外板と扉:スチール(鋼板)、床:木材
- 積重段数:8~10段