持上装置の概要

目次

1.持上装置の概要

 簡単操作の海コン持上装置が登場。『海コン持上装置、LFT40F』。特別な運転資格が不要。特別な研修が不要。荷主側の積み降ろし作業員、陸運会社側の運転手、の皆さんが操作できます。海コン持上装置を使って物流を海コンベースに移行して、物流の効率化を進め、物流コストを下げませんか?

  • 『海コン持上装置、LFT40F』は、(最大総重量が約30トンと凄く重い)、40フィート海上コンテナ(略称:海コン)用の持上装置です。トレーラシャーシ上の海上コンテナを持上げ、(シャーシが前進した後に)、地面()に降ろします。地面()上の海上コンテナを持ち上げ、(シャーシが後進した後に)、シャーシ上に降ろし(載せ)ます。
  • 『海コン持上装置、LFT40F』は40F(フィート)海上コンテナの、標準高8.6F(8.6H)と背高(High Loof)9.6F(9.6H)の両タイプを持上げ持下げできます。
  • 『海コン持上装置、LFT40F』は持上持下装置。クレーンやフォークリフトと異なり、持上げても横移動しないので運転操作資格が不要。荷役作業員や運送会社の運転手など誰でも操作できます。但し、海上コンテナは重量物です。事故防止のため、下に潜ったり、足を入れないで下さい。
  • 『海コン持上装置、LFT40F』は持上部と持上部の前後2つの門型自立構成。前後接続の鉄骨材不要。前部と後部の制御信号の交信は無線。前後接続の信号ケーブル不要。
  • 『海コン持上装置、LFT40F』は物流倉庫の標準天井高5.5メートルに設置できます。屋外使用前提で作られている海上コンテナの持上移動装置、リーチスタッカー、トップリフター、は天井高5.5メートルで使用不可
  • 『海コン持上装置、LFT40F』は床に置いて設置します。床にボルトで固定しない設置で移動が可能。物流倉庫などの床にロックボルト埋込不要。(長期に使わない時、隅っこに格納しておけます。
  • 『海コン持上装置、LFT40F』の給電は3相200V。3相プラグ(アース付きの4端子)ケーブルが門毎に出ています。このケーブルが、開閉器(スイッチ)と漏電遮断器を通ってインバータに繋がり、インバータが減速ギヤ付きの電動モータを回します。お客様は3相コンセント(アース付きの4端子)を(前門用1個と後門用1個の計2個を)前後門の近くに設置下さい。

2.持上装置の使用目的

2.1>段差解消

 輸送車両は後輪の上に荷台があり、車両の大きさによって高低あるが、この荷台の高さは長距離輸送車両で1.2m程。この荷台と床の段差によって、荷積み降ろし作業に時間がかかり、多くの人員を要し、作業に危険が伴う、などの問題が発生する。

 問題解決法の①:荷物積み降ろし床を1.2mほど高くした物流センター(トラックバース)のプラットホームはこの段差対応方法で、荷台と床がほぼ同じ高さになり段差解消で問題解決。但しプラットホームは設置費が高額。設置未済の貸倉庫に後設置は困難(賃貸終了時の現状復帰費用も高額)。
  【動画:配送センターの主な仕事内容
 車両の大きさによる荷台位置の高低差に対応するスロープ装置がドックレベラー。
  【動画:ドックレベラー動画

 問題解決法の②:荷台高に合わせた(持ち運び)スロープを持って来て設置する。フォークリフトがスロープを昇り降りして荷箱内に荷物を入れ、荷箱内から荷物を取り出す。荷台高が有り、昇り降りに時間がかかり、フォークリフトがスロープから転落する危険に留意しながらの作業が必要。
  【作業例の動画:SANKIN バンステージ

 問題解決法の③:海コン持上装置を操作して海コンを地面(床)に下ろす。地面と海コン床には0.2m程の段差がある。この段差用のスロープを持って来て設置する。フォークリフトは解決法②と同様に海コン内に入って作業する。②と違って転落の危険は無い。高低差がほぼ無いから積み降ろし作業が早い。
  【段差スロープの動画:コンテナスロープ
 海コン持上装置は日本国内の陸上輸送を対象市場として開発した装置であるが、輸出の荷積みバンニング、輸入の荷降ろしデバン、でもご使用ください。

2.2>シャーシの載せ替え

 海コン輸送では荷主所有の構内シャーシと運送会社所有の道路走行シャーシで海コンを載せ替えると都合良い場合がある。(構内専用シャーシはナンバープレート不要。車検不要。重量税不要。但し、公道走行不可。
 荷主所有の構内シャーシに載せた海コンでは、運送会社が来ていない時点で、海コンに荷積み荷降ろしできる。作業の平準化ができ、1日の作業効率が向上する。ピークに合わせて作業員を増員しておく必要がなくなる。
 運送会社の運転手は、積み降ろし業務時間内に荷主側作業員に海コン持上装置を操作してもらい、あるいは業務時間外の昼休み終業後夜間早朝に自ら操作して、構内シャーシと自社シャーシの間で海コンを載せ替える。
 海コンのお届けや引取の片道輸送でも輸送契約は成立するが、お届けして引き取る往復輸送契約なら、運送会社は効率が上がり、荷主は輸送運賃の往復割引で輸送費を節約できる。
 海コン持上装置を1台(予備に+1台推奨)置き、海コンを持上げてシャーシを差し替えれば、プラットフォームに多数の(北海道九州などの方面毎、お届け客先毎、到着毎に)構内シャーシ(と上に載せた海コン)を並べて(運送会社の車両到着退出に拘束されずに)荷積み荷降ろしできます。
 構内トラクターを使って、荷積み完了した海コンを(構内シャーシに載せたまま)別の場所に移動し、空の海コンを(載せているシャーシを)持って来る。荷降ろし完了した海コンを(構内シャーシに載せたまま)空き海コン置き場所に移動して荷降ろし場所を空けておく。

2.3>スイッチ輸送

 シャーシの載せ替え特殊例として、2つの輸送会社が自分の海コンと相手運送会社の海コンを相互に載せ替えるスイッチ輸送。2つの海コンを2台の海コン持上装置で持上げ、お互いの牽引シャーシを差し替えて、持上げていた海コンを載せる。相手の海コンが載った自社シャーシを牽引してお互いに来た方向に戻り、出発地付近の着荷主に海コンを届けて、帰社し、帰宅する。

3.装置導入の成果

 海コン持上装置を導入して、物流を海コンベースに移行すると、発荷主と着荷主の荷主側と運送会社側の双方で、色々な作業工程で効率化が進み物流コストが下がります。

3.1>車両到着前の荷積み

 海コン輸送なら荷物の詰め込み作業を朝から夕方までに平準化できます。超多忙なピーク作業時間帯を閑散時間帯へと平準化できます。発送する荷物の海コン荷積みが、運送会社の車両到着前の都合の良い時間帯にできます。前日に翌日分の海コン荷積みできます。
 荷主側の荷積作業の労働環境を改善します。ピーク時間帯に合わせた作業人の増員が不要となり人員を最適化できます。
 運送会社側は荷待ち(到着順待ちと荷積完了待ち)時間なく、荷主に到着後すぐに(海コンをシャーシに載せて)お届け先へと出発できます。荷待ち解消で車両運行率(道路上を走行する運送会社の本来業務)が向上します。
 おまけ:到着車両の順番待ち行列、荷積み開始から完了までの待ち時間消失で、場内の外来車両の混雑が解消します。

3.2>車両退出後の荷降ろし

 海コン輸送なら到着した荷物の荷降ろし作業を、朝から夕方までに平準化できます。超多忙なピーク作業時間帯を閑散時間帯へと平準化できます。運送会社が届けた海コンをシャーシから下して、運送会社にはシャーシを引いて帰って頂きます。下した海コンの中の荷物は都合の良い作業時間帯に荷降ろして下さい。翌日以降の荷降ろしもご自由に。
 荷主側の荷降作業の労働環境を改善します。ピーク時間帯に合わせた作業人の増員が不要となり人員を最適化できます。
 運送会社側は荷待ち(到着順待ち荷降完了待ち)時間なく、荷届先到着後(シャーシから海コンを下して)輸送業務完了で帰社。荷待ち解消で車両運行率(道路上を走行する運送会社の本来業務)が向上します。
 おまけ:到着車両の順番待ち行列、荷降ろし開始から完了までの待ち時間消失で、場内の外来車両の混雑が解消します。

3.3>荷捌き場の縮小

 トラック輸送を海コン輸送に移行すると、運送会社の車両が到着する前に輸送荷箱に荷物を直接積込みできるので、荷捌き場に発送荷物を到着車両に向けて一時置きする必要がなくなります。
 発送用の荷捌き場を縮小し、発送用の一時置き荷役が不要になります。同様に、到着荷物用の捌き場を縮小し、到着時の一時置き荷役が不要になります。
 つまり、現在のトラック輸送が一時置き場を必要とし、一時置きの荷役(の労働と時間=コスト)を生み出す。海コン輸送が一時置き場の必要を無くし、一時置きの荷役(の労働と時間=コスト)を無くす。

3.4>海コン蔵置

 海コンを倉庫として使う「海コン蔵置」をお勧めします。製造した製品や出荷前の品物の保管、仕入れた材料や品物の保管、などに海コン蔵置をお勧めします。露天置と風雨潮風輸送を前提に作られている海コンを、露天蔵置すれば倉庫の保管費用を節約できます。雨、雪、風、飛来物、紫外線などから海コン内の荷物を守ります。保管場所の切り出しで荷捌き場を狭くできます。
 蔵置海コンをそのまま発送すれば、海コン内への荷積み作業労務と作業時間が不要。受注直後に(大量荷物を)発送できます。到着した海コンをそのまま蔵置すれば、海コン内からの荷降ろし作業労務と作業時間が不要。荷積み前の荷集約一時置き、荷降ろし場所への一時置き、の作業労務と作業時間が不要。大量荷物の発送受領で劇的な即納体制とコスト削減できます。

3.5>夜間のお届け引取

 高速道路の大型車両駐車場が夜間大混雑。お届先事業所の始業待ちと思われます。事業所が閉まっている夜間に荷物をお届けできない。車が構内に入っても荷積み荷降ろしして貰えない。荷物内訳や損傷有無の相互確認ができない。
 海コンの夜間お届け引取の採用を荷主と運送会社間でご検討ください。守衛の書類チェック合格後に、運送会社の運転手が構内に入り、お届けした海コンをシャーシから下ろして立ち去る。引取って運ぶ海コンをシャーシに載せて、守衛の海コン番号照合チェック合格後に構内から出る。
 夜間お届け引取の採用で、運送会社は24時間いつでも海コンをお届け引取でき、車両の道路走行率が極限まで向上する。荷待ちは費用です。海コン輸送で解消できる無駄なコストです。
 夜間引取の採用で、翌業務開始時間後の出発が前夜の出発に早くなり、早く着荷主に届きます。距離と時間によっては1日早く着く事も。

3.6>スイッチ輸送

 2つの拠点の中間地で、お互いの荷物を交換して
引き返すスイッチ輸送を行う事で、1泊が必要な輸
送距離でも1泊なしでの輸送が両者可能になる。
 海コンを荷物として交換するスイッチ輸送は、持上装置を使った荷役作業で、相手の陸運会社の車両を預からないので、相手車両管理損傷、自動車保険や車両保険の適用除外扱い、など多種多様な問題が発生しない。海コンは相手荷物と交換して引き返すスイッチ輸送に最適です。

4.装置導入の分野案

4.1>方面別の荷積み

 方面別に荷集めて一時置せず、方面別に並べた海コン(シャーシに載せてある)にダイレクトに荷積みして行くと、荷集め一時置き作業が不要となり、この作業労務と時間を節約できます。
 例えば宅配便の全国配送センター。北海道、東北、北陸、中部、関西、中国、四国、九州、(あるいはさらに細分化)へと方面別に並べた(宅配会社所有シャーシに載せた)海コン(宅配会社所有)に、地域で集めた宅配便を区分けしカゴ台車単位で積み込んで行く。荷詰め完了した海コンを、持上装置で運送会社のシャーシに載せ替えて、運送会社が各地に運んで行く。
 例えば食品スーパーやホームセンターの店舗配送センター。店舗毎に並べた海コンにカゴ台車あるいはダンボールで積み込んで行く。店舗に海コンを運び、空の海コンを持ち帰る。運送会社は店舗内の荷降ろし待ち時間が無くなる。店舗は海コン内を一時置き場所として使え、一時置き場所が不要になる。一時置き作業が不要になる。

4.2>品目別の荷受け

 届いた海コンから中の荷物を取出さずに、(シャーシに載せた、あるいは1台の海コンに1台の持上装置を配置した)海コンを品目別に並べて置き、要求に応じて海コンから組立ラインに供給。
 例えば自動車工場の最終組立ライン。数種のエンジンを種類毎に海コンに置き、要求に応じて海コンから組立ラインに供給。エンジンの一時置き場所が不要になる。一時置き作業が不要になる。

5.持上装置の操作

『海コン持上装置LFT40F』の操作は簡単。操作は、①上げる下げる、②ロックと解除、の2種類。

 手前と奥の2つの門型は無線信号で繋がっており、手前の門型の柱に固定してある操作Box内の操作ボタンを押すと手前と奥が一緒に動きます。

 操作Boxは手前に透明の蓋が付いています。手前の蓋を開けて、中の操作ボタンを押し持上装置を動かします。

  操作Boxの右側に開閉用の◯穴があります。設置時にはこの穴に鍵は付けてありません。必要なら取り付けて使用ください。

 操作パネル(左の画像)上部に配置のボタンが海上コンテナの上四隅にある隅金具にツイストロックを嵌める(Lock on) 外す(Release) 操作。
 (操作に応じて左右のツイストロックが左右ともに回ると赤い表示が点灯します。操作に応じて左右が回らない、または片側が回らない、と連続ブザーが鳴り続けます。

 下部に配置の ▲ ▼ ボタンが海上コンテナを持ち上げる、持ち下げる操作。通常の操作では中央の▲▼ ボタンを押します。手前と奥のブーム(の下に付いているツイストロック)が一緒に上下する。

 右側と左側の ▲ ▼ ボタンは、手前と奥の上下バランス調整。右側や左側の ▲ ▼ ボタンを押すと個々に手前と奥が独立して上下する。手前と奥が傾いていたら水平に補正して下さい。
 +ボタンを押しながら ▲ ▼ を押すと上下速度半減。

6.持上装置の仕様

  • 持上対象:40F海上コンテナ(標準高8.6F、背高9.6F)
  • 持上重量:30,480kg(2門合計値、1門15,240kg)
  • 門型寸法:長2,000x幅4,109x高5,222mm
  • 設置寸法:長14,074x幅4,109x高5,222mm
  • 門々間隔(長手方向、参考):11,990mm
  • 給電電力:3相200V20A x2組
  • 給電コンセント:接地3P(4芯
  • 操作箱:片門のドラム側の柱に固定
  • 操作の種類:
    1.ツイストロックのロックオンとリリース
    2.海上コンテナの持上げ、持下げ
  • 操作の必要資格:特になし
  • 装置名称:海上コンテナ持上持下装置
  • 装置構成:門型1(操作箱付き)
         門型2(操作箱なし)
     (操作箱は手前でも奥でも設置できます
     (操作箱は左でも右でも設置できます
     (但し左と右は、手前と奥で同じ
  • 付属品:延長ケーブル(5m、3相4芯19A)
  • 設置環境:屋内(雨水厳禁
  • 注文型名:LFT40F
  • 価格:820万円(税別
  • 設置費用:50万円(税別)+距離料金(税別
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