スイッチ輸送とは
【スイッチ輸送の比較表】
輸送方式 | 交換対象 | 特徴 |
①個々荷物積替 | 互いの個々の荷物 | 過酷な積替作業 |
②車両交換 | 互いの車両 | 車両キズや保険 |
③トレーラ交換 | 互いのトレーラ | トレーラの同上 |
④海コン積替 | 互いの海コン | 重機での積替 |
スイッチ輸送は、一泊が必要となる2点間(例えば東京と大阪)輸送で、互いの中間地点(例えば浜松)で落合い、お互いの荷物を交換し、お互いの出発地に引き返す輸送形態。お互いの出発地に引き返す事で運転手が1泊せず単日(1日の業務内)で輸送が完結する。
スイッチ輸送は4つの輸送形態が考えられる。簡単、すなわち現実的でない順から説明すると、①個々荷物積替方式:荷物室内の全荷物を互いに交換。②車両交換方式:互いの車両を交換、③トレーラ交換方式:互いのトレーラ(またはスワップボディ)を交換。④海コン積替方式:互いの海コンを交換。
①は全荷物の積替えで過酷な労働が前提。ブラック労働で検討にも値しない。
②は相手地域に行った自社車両を、相手運送会社との間で、もう一度のスイッチ輸送が必要になる。輸送途中の相手会社運転手が起こした事故や損傷の費用負担や保険適用範囲など問題多発。
③はトラクタ(ヘッド)部分が出発地に引き返すから、②の対象部分が後方のトレーラ部分に限定。対象範囲は減るが本質的な問題が解消しない。
④は運送会社が所有するトラクタ(ヘッド)とシャーシ(荷台)部分が出発地に引き返し、シャーシ上の荷主所有の海コンが互いの荷受人に届く。
スイッチ輸送の車両解放
輸送方式 | 車両解放 | 説明 |
①個々荷物積替 | 片道で解放 | 往路で車両解放 |
②車両交換 | 往復で解放 | 車両の復路必要 |
③トレーラ交換 | 往復で解放 | トレーラの復路必要 |
④海コン積替 | 片道で解放 | 往路で車両解放 |
スイッチ輸送では、①④は往路輸送で請負業務が完結。陸運会社は、復路輸送を考慮せず、次の輸送を受託できる。但し、④では互いの荷主は互いの始発地に海コンを戻す復路輸送が必要になります。
②③は往復で輸送車両を解放。互いの陸運会社は互いの復路スイッチ輸送が必須になります。②は互いの車両の復路輸送が必須。③は互いのトレーラの復路輸送が必須。
海コン方式スイッチ輸送

④海コン方式スイッチ輸送とは、輸送荷物としての海コンを中間地点で積み替える方式のスイッチ輸送。
運送会社が所有するトラクタ(ヘッド)とシャーシ(荷台)部分が出発地に戻り、荷送人が依頼した輸送荷物の(荷台の上の)海コンが荷受人に届けられて、(互いの運転手がお届け地で1泊する事なしに、1泊した後に復路の荷物を探し復路輸送する事なしに)、互いの運送会社の輸送業務が(単日で)完結する。
1泊輸送が嫌われつつある近年の輸送労働環境で、海コンを輸送荷物とするスイッチ輸送は、運転手求人の方法として、労働環境の向上策として、検討に値する輸送形態でしょう。
④海コン方式スイッチ輸送は、(①個々荷物積替方式の過酷労働な積替え作業なしに)、単日で輸送業務が完結する利点があるが、中間地点に海コンの積替システムの設備が必要。積替装置として海コン持上装置の設置が必要。つまり、スイッチ輸送のメリットを享受するには相応の投資が必要。相応の投資と運用維持に費用が発生するから、相応の利用頻度が必要。
海コン方式スイッチ輸送の必須装置

【必須の持上装置】
④海コン方式スイッチ輸送に必須の装置は、簡単操作で比較的安価な海コン持上装置。この持上装置は、荷送人、中間の積替拠点、荷受人の3個所に必要。必須です。荷送人、荷受人に各1台以上、積替拠点に2台(+予備1台)が必要。
【荷送人必須の持上装置】
荷送人には1台以上の持上装置が必須です。荷物を発送する両拠点に持上装置は必須。持上装置を使って発送する海コンを運送会社のシャーシに載せて中間地点に向かって出発。
【中間地点必須の持上装置】
両拠点が落ち合う中間地点には2台+予備1台の計3台の持上装置が必須です。2台の持上装置が双方の海コンをシャーシから持上げる。双方のシャーシを入れ替える。持上げている海コンをシャーシの上に持下ろす。海コンの交換完了。双方の運送会社の海コン牽引トラクタが来た道を引き返す。
【荷受人必須の持上装置】
荷受人には1台以上の持上装置が必須です。中間地点から引き返して荷受人に到着した海コン牽引トラクタから持上装置を使って海コンを降ろす。運送会社は委託した海コンの輸送業務完了し帰社。
荷送人と荷受人が同じ場所の場合、持上装置は荷送りと荷受けに両用可能です。荷送人と荷受人が違う場所の場合、それぞれに持上装置が必須です。